Nuclear Victims’ Day
1954年3月1日はマーシャル諸島のビキニ環礁で行われた水爆実験の日です。広島原爆の1000倍というとてつもない爆発力があり、戦争でもないのに被爆者が出ました。
ロンゲラップ島の住民が死の灰をかぶりました。そして静岡のマグロ漁船の第五福竜丸も被爆しました。
今日はその記念すべき日です。日本大使館&大川史織さん主催の大林監督「この空の花 ー長岡花火物語」を観ました。
これが会場です。
私はただのドキュメンタリーに有名な監督を起用した記録映画のようなものだと思っていました。
それが見事に裏切られました。これは映画です。大林監督?の映画でした。しかも、かなり斬新な手法のような。随分と映像をいじってます。やり過ぎです。大監督がこんな映像作るのか?と思いました。
単なるドキュメンタリーにしてしまうと、観てつまらないものになってしまう。だから大林監督は思い切ったことをしたのではないでしょうか。
普通の映画のように、ストーリもあり、失恋もあり、映像だけでも楽しめるます。そして、役者がなかなかよくて、監督はそれを引き出すんですね。
主人公?の松雪泰子の目の表情がよかったかな。大人になったんですね。そして、恋人が高島兄弟の高島だと最初に気がつかなくて。いい演技するようになったんですね。
くせのある役者の面白さ。これも楽しめます。細かなせりふ、動きに監督の気遣いが感じられます。
という感じで、メッセージを強く意識しないでも楽しめるんです。この映画は。だいたい、しゃれすぎている。「世界中の爆弾が花火に変わったら、きっとこの世から戦争はなくなる。」ですから。
映画を通じて初めて知ったこともあります。
この映画の舞台の長岡が長崎原爆ファットマンのテストに使われていたことは平成になってから公になったそうです。今でもほとんど知られていないことです。
そういうことがすーっと入って行く。これが監督が狙ったところじゃないかなぁ。
上映が終わって、難しかったという人、3回泣いたという人、脚本がすごいという人がいました。わかります。
マーシャルの水爆実験のことも忘れないようにちょこっと入っている。そんな映画でいいんですよね。これは。
もう一度観たい映画です。